硫黄触媒毒を利用した官能基選択的接触還元法
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概要
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不均一系触媒であるパラジウム炭素(Pd/C)は、反応後の除去が容易であり幅広い還元性官能基の接触水素化に汎用されているが、触媒活性が高く官能基選択的接触還元への適用は困難である。 したがって、Pd/Cを用いた官能基選択的接触還元反応の開発は、有機合成工程における有用な官能基変換法となるため重要である。著者らの研究室ではPd/C触媒条件下窒素性触媒毒を利用した官能基選択的接触還元反応を開発してきた。反応多様性の観点から、新しい官能基選択性を有する還元反応の開発は重要な研究課題である。今回著者らは硫黄化合物の添加による触媒活性の制御に関して詳細に検討した。その結果、ジフェニルスルフィド(Ph2S)の添加により、Pd/C触媒条件下容易に接触還元される芳香族カルボニル基、芳香族ハロゲン、芳香族シアノ基、ベンジルエステル及びN-Cbz保護基の共存下、オレフィン、アセチレン及びアジドの選択的還元が可能となった。
- 2008-06-30
著者
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佐治木 弘尚
岐阜薬科大学
-
佐治木 弘尚
岐阜薬科大学創薬化学大講座
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佐治木 弘尚
岐阜薬科大学創薬化学大講座薬品化学研究室
-
森 昭則
岐阜薬科大学創薬化学大講座薬品化学研究室
-
森 昭則
岐阜薬科大学創薬化学大講座薬品化学研究室:(現)武田薬品工業株式会社cmc研究センター製薬研究所
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