橈骨動脈アプローチにおけるφwireの有用性の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,橈骨動脈アプローチによる冠動脈造影検査が開発され,次第にその有用性,安全性は認知されるようになった.しかし,一方で橈骨動脈アプローチは特有の解剖的異常により冠動脈までのアクセス困難な症例を認める.今回我々は特殊形状のガイドワイヤー(φwire)を開発し,その有用性を検討した. 2006年10月より2007年3月までの冠動脈造影検査を橈骨動脈アプローチで施行した138例を対象として,ガイドワイヤーは従来のアングル型のHunting wireとφwireを穿刺の前に無作為割付し,血管迷入回数と右橈骨動脈からバルサルバ洞まで透視時間を計測した. Hunting wireを使用した70例で,バルサルバ洞までカテーテルを到達させられたのは67例(H群)であった. φwireは68例の全例(φ群)でバルサルバ洞まで到達した.全対象群での平均迷入回数はH群で2.5回, φ群は0.6回であった(p<0.05).また平均透視時間は, H群で26.7秒,φ群は16.9秒であった(p<0.05).φwireは従来のアングル型と比較し有用であると考えられた.
- 獨協医科大学の論文
著者
関連論文
- 41) 単発心房期外刺激にて稀有型房室結節回帰性頻拍から房室回帰性頻拍に移行し,副伝導路とslow pathwayへのアブレーションが奏効した一例
- 74) 多発性転移をきたした心臓原発性骨肉腫の1剖検例
- 放射線療法により縮小を認めた心膜原性悪性中皮腫の1例
- 24)放射線療法が奏効した心膜原性悪性中皮腫の1例
- ステント留置後再狭窄における糖尿病の影響
- 90)7年間の過観察中に発症した心アミロイドーシスの一例(日本循環器学会 第182回関東甲信越地方会)
- 38)冠動脈インターベンション後に再狭窄を繰り返し,グラフト閉塞も来したプロテインC欠乏症の一例(日本循環器学会 第181回関東甲信越地方会)
- 74) 経皮的腎動脈形成術にて加療した腎血管性高血圧症の2症例 : 血管内超音波検査とプレッシャーワイヤーを用いて
- 12)意識消失を繰り返した冠攣縮性狭心症の一例(第199回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 79) 心肥大からFabry病を診断した1例(第205回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 冠動脈インターベンション時に断裂・遺残したガイドワイヤーが亜急性血栓性閉塞の原因と考えられた一症例
- 5)褐色細胞腫に合併し冠攣縮が誘発された逆たこつば型心筋症の1例(第203回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- ステント内再狭窄の新生内膜に潰瘍形成を認めた1例
- 53)バルサルバ洞動脈瘤に多発性冠動脈瘤を合併した1症例(第200回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 右経橈骨動脈インターベンションにおける新型両用ガイディングカテーテルの有用性
- 15.64列MSCTによる冠動脈病変の評価(一般演題,第35回獨協医学会)
- 橈骨動脈アプローチにおけるφwireの有用性の検討
- 66) 冠動脈瘤に起因する急性心筋梗塞を合併したSLEの一例