QT dispersionと動脈硬化性危険因子の関連
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概要
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本研究ではQT dispersionと動脈硬化性危険因子(危険因子)の関連について検討した.対象は獨協医科大学の人間ドックを受診し, T波終末が明瞭であった男性364名とした.人間ドックのデータから喫煙,飲酒,治療状況,身長と体重,収縮期血圧と拡張期血圧,空腹時採血による血糖,総コレステロール,中性脂肪(TG), HDLコレステロール(HDL)のデータを得た.危険因子は血圧, TG, HDL,血糖, Body Mass Indexを用いた.心電図データからQT間隔を自動測定した. QT間隔は測定したQTと心拍補正したQTcを用い, QT dispersionはQTとQTcのそれぞれの最大値と最小値の差であるQTdとQTcdを用いた.結果は,危険因子の項目が多いほどQT, QTc, QTcdが大きくなる用量-反応関係が認められた.危険因子の3個以上で解析すると, QT, QTc, QTd, QTcdで群間に差がみられた.また,危険因子が3個以上集積した場合, QTcdの第1四分位に対する第4四分位のオッズ比は3.258 (95%信頼区間: 1.223-8.677, p値=0.018)と有意であった.以上より危険因子とQT dispersion,特にQTcdとの間に関連性が認められた.