人体ESDに適用する火花抵抗則の検証(放電・回路/一般)
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概要
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近年のICの高速・低消費電力化により,静電気放電(ESD:Electrostatic discharge)が引き起こす過渡電磁雑音による電子機器の誤動作が問題となっている。この機器誤動作の詳しい機構解明のためには,火花発生過程の解明が不可欠である.著者らは大気圧中における2種類の火花抵抗則に着目し,火花過程にある放電電流立ち上がり部分において,いずれの式を適用すべきかを実験的に検証した.用いた火花抵抗則の一つはRompe-Weizelの式であり,他のひとつはToeplerの式である.これらは,それぞれ火花通路の導電率の時間変化が火花に注入される内部エネルギまたは電荷量に比例するとの仮説から導出された式である。本文では,金属棒を握った帯電人体からの放電電流を広帯域のディジタルオシロスコープ(帯域:12GHz;サンプリング周波数:40GHz)で測定し,著者らが提案する放電電流等価回路モデルを用いて本来測定できない放電電圧の推定をおこない,この結果を用いて火花通路のコンダクタンスの時間変化を導出した.また,放電電流および放電電圧から電荷量と内部エネルギの時間変化を求め,これらのコンダクタンスとの相関関係を放電電流立ち上がり部分の時間範囲において調べた.その結果,帯電電圧が200VはPaschen則の大気圧における最小火花電圧(約370V)よりも低いが,火花のコンダクタンスは内部エネルギーよりも電荷量に比例し,Toeplerの式が有利であるのに対して,帯電電圧が2000Vの場合はコンダクタンスは内部エネルギに比例し,Rompe-Weizelの式を適用できることが示された.さらに,最小二乗法を用いて近似直線を当てはめて求めた比例係数から火花長を導出したところ,帯電電圧2000Vの場合,Paschen則から得られる火花長とほぼ同等となることがわかった.
- 2008-07-11
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