ESDガンの水平結合板への間接放電時に対する試験法の影響(無線伝送技術,EMC関連/一般)
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概要
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静電気放電(ESD:Electrostatic discharge)で生じる過渡電磁雑音は、電子機器に極めて重大な電磁障害を引き起こすことから,IEC(国際電気標準会議)では,ESDに対するイミュニティ試験法(IEC61000-4-2)を制定し,静電気放電試験器(ESDガン)による接触または気中放電による供試品への直接放電,また供試品の周囲物体に静電気放電が生じた場合の影響を模擬するために,垂直および水平結合板への接触放電による間接放電を規定していた.しかし,水平結合板への印加方法については,IEC1000-4-2 1995-01(旧規格)はESDガンの接触方向を水平結合板の上面に対して鉛直下方に規定していたのに対して,IEC61000-4-2 2001-04(新規格)では結合板の端(エッジ)に対して垂直方向へと変更したため,変更前の規格で品質管理をしてきた企業では,同一製品であっても,これまでの試験データと変更後の試験データとの相関が取れないといった問題があることが経験的に知られている.さらに,IEC規格では,水平結合板への放電箇所は,供試品の各4面から10cm離れた位置にESDガンの放電電極を水平結合板に接触させて印加することだけが規定され,供試品の各面における基準位置の指定がないため,同一面への印加であっても,基準位置によって供試品への影響も異なる可能性がある.本文では,IEC規格変更による水平結合板へのESD印加法が供試品へどのような影響を及ぼすかを,供試品とした簡易回路基板を用いて調べた.基板の同一面において,基準位置を数点選び,それぞれから10cm離れた箇所にESDガンで水平結合板へ間接放電を行い,基板上パターンの誘導電圧を測定した結果,新規格による波形ピークは旧規格のそれよりも数分の一小さく,波形も大きく異なったこと,しかし基板に対する放電印加基準点の電圧波形に与える影響は新規格のほうが小さいこと,などがわかった.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2008-02-29
著者
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