中学校理科「自然と人間」における物質循環に関する教材開発 : 「炭素の旅」の開発と授業実践評価

概要

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本研究では,生徒が主体的に活動できる教材が少ない中学校理科第2分野「自然と人間」の単元において,授業で簡易に活用できる教材「炭素の旅」の開発を行った。本教材は,環境問題としても大きく取り上げられており,生命や環境を考える上で重要である物質循環,特に生物の主要な構成元素である炭素の循環に焦点を当てた。開発した教材は,炭素の循環に関する行程表とプリントからなり,サイコロを振って進めるものである。生徒が個人で活動でき,10分程度で実施することができる。この教材を用いた授業実践を行い,その教育的効果を明らかにした。授業実践を行った結果,ほとんどの生徒が本教材に興味を持ち,活動に積極的に参加した。また生徒は,各自の活動や記録を振り返ることで炭素の循環経路やその移動の内容について考え,さらにクラスの他の生徒と結果を比較することで,炭素の循環の仕組みや生態系について考察することが可能となった。本教材は,物質循環の学習において生徒が実施できる教材として有効なものであり,中学校理科「自然と人間」単元に生徒の主体的な活動を取り入れた授業として,学習の改善に役立つものと考えられる。
日本理科教育学会の論文
2007-07-31