自作装置による環境水の濁度測定 : 環境学習を支援する教材開発
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概要
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学校では環境学習の取り組みとして近郊の河川、湖沼などの水質調査はよく取り上げられるところである。そのなかでも"濁り"は基本的調査項目として必ず測定されるものであるが、透視度計では濁度の低い試料水の微小な変化を測定することは困難である。一方、市販の濁度計は高価で学校現場で容易に購入できるものではない。今回、身近な素材を用いて濁度計を自作し、河口域での測定を実施して装置の有効性を検討した。調査の結果として、以下の点が明らかになった。(1)調査対象となった河口域の半日間での濁度変動はO〜2.5と微小であったが、自作濁度計の精度はそれを十分に測定できるものであった。(2)塩分濃度と濁度、pHと濁度の間にはともに負の相関がみられた。このことは濁度成分が河川に由来するものであることを示唆する。(3)本濁度計によって測定した濁度は、試料水中の総懸濁物量と正の相関が認められた。以上より、本濁度計は安価に製作でき、濁度の低い環境水の水質調査に適用できるものとして学校現場での活用が期待できる。
- 日本理科教育学会の論文
- 2004-05-17
著者
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