「理科学習」と「総合的な学習」との連携を踏まえた「自然災害に関する学習」や「防災教育」について : 兵庫県南部地震以後の動向を中心として
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概要
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戦後,最悪の被害を生じた兵庫県南部地震は,防災対策の点で各地の行政等に大きな影響を与えた。本論文では,教育改革の流れの中で,理科教育の立場から震災後の学校教育においでの自然災害についての学習や防災教育への取り組みを検討した。特に現在,多くの学校で取り組み始められている「総合的な学習の時間」を踏まえた実践と,自然災害についての学習や防災教育との関連を考察した。改訂された学習指導要領では,自然災害の言葉が強調される箇所が目立つものの,学習内容の全体的な削減から自然災害と関連した自然現象の取り扱われる内容も減少している。一方,防災教育は,「総合的な学習の時間」創設の意義と一致する点も多く,兵庫県南部地震以後,教育委員会,小学校,中学校等で自然災害や防災教育を踏まえた総合学習への取り組みや実践が見られる。加えて,地域の地学的な自然を詳細に取り扱うことによって,地学教育の一層の充実も可能となる。「総合的な学習の時間」の中で,自然災害についての学習や防災教育を行うことは,探究的な活動や体験的な活動を伴った理科学習としての発展も期待され,一部に危惧されている学力低下の懸念を払拭できる可能性もある。
- 2001-03-31
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