イノシシ被害の発生に影響を与える要因 : 農林業センサスを利用した解析
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概要
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イノシシによる農業被害が発生する要因を明らかにするため,農林業センサス情報に基づいた被害の説明を試みた。山梨県内の農業集落796を対象とし,各集落内における被害発生水田率と農林業センサスから抽出した9要因の関係を一般化線型モデルにより解析した。解析対象とした水田は57,361である。その結果,林野率,標高,農家減少率,耕作放棄地率は高いほど被害が多く,田平均面積,寄り合い,集落管理度は小さい,あるいは少ないほど被害が多かった。被害を説明するための,これら要因の重要性は同程度であった。一方,被害との関係が認められなかった要因は65歳以上農家人口率および自給農家率であった。以上のことから,被害の発生には林野率や標高といった地理的要因だけでなく,寄り合い,集落管理度,農家減少率といった人的要因も同様に重要であると結論した。
- 日本森林学会の論文
- 2007-08-01
著者
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