047 壁および骨組の剛性低下率の検討(ラーメン解析法他)
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概要
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本報告は、鉄筋コンクリート建物の骨組と壁の剛性低下の関係を、簡単なモデルについて検討したものである。普通耐震壁のせん断変形は、材料力学の公式に従って下式で求められる。δw=(κ・Qw・h)/(βw・G・Aw) δw:壁上下間の相対変位 κ:変形に関する壁断面の形状係数 Qw:壁の負担せん断力 h:壁高さ βw:壁の剛性低下率 G:せん断弾性係数 Aw:壁の断面積 上式中のβwは、周知のように壁に斜めひびわれが発生したり、コンクリートが塑性化した後も、壁が剛性を保持することを考慮するために用いられるが、明確な根拠のないままに、著しく小さい値を用いたりする例がみられた。これに対し、平成7年1月17日の阪神大震災の被害例を参照して、各特定行政庁はβの過小評価をしないように行政指導を始めた。ところで、鉄筋コンクリート建物の水平力時応力計算は、特別な場合を除き、スラブの水平剛性が無限大で、建物各階のスラブ位置で、壁と骨組は水平方向に関しては一体に結合され、ねじれがない場合の水平変位は同じ、ねじれがある場合は、特定の関係を持った変位が生ずると仮定して行うのが普通である。従って、壁が剛性低下するような変形が生じたとき、骨組もまた剛性低下する可能性があると思われる。この点を次項で述べる簡単なモデルと計算式によって検討する。
- 社団法人日本建築学会の論文
- 1997-03-24
著者
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