医療福祉施設における労働者の職務認識と人事労務管理に関する一考察
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概要
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本研究では,医療福祉施設労働者の雇用の安定性を図るための人事労務管理対策についてその現状と課題を明らかにするために,「職場ストレス」と「職務満足感」に焦点を当てた実証分析を行うことを試みた.そこで,医療福祉施設を対象とした質問紙調査を行い,本調査に基づく統計的分析を踏まえた上で,医療福祉分野の人事労務管理部門が行うべき環境整備について考察を行った.まず,「職場ストレス」と「職務満足感」に関する理論と実証分析の展望に基づいて質問票を作成し質問紙調査を行った.その質問紙調査によって得られた回答に対し因子分析を行った結果,医療福祉分野における労働者の職務認識尺度として,「人間関係」,「ストレス反応」,「目的・役割意識」,「裁量権」の4尺度が抽出された.さらに,今回作成された職務認識尺度を用いて労働者の基本的属性との関連および「継続意識」,「帰属意識」,「職場環境意識」から構成される「職務満足感」との関連を分析した.その結果,勤続年数が20年以上のグループは,3年未満のグループより「人間関係」を低く認識していたり,役職についている人の方が一般職員より「目的・役割意識」,「裁量権」を高く認識しているなど,職種別,勤続年数別,就業状況別,動機別においてサブグループ間に統計的に有意な差があることが確認された.さらに,「職務満足感」に関しては「人間関係」と「目的・役割意識」との関連が特に強いという分析結果を得た.これらの結果を踏まえ医療福祉分野の人事労務管理について以下のような提案を行った.(1) チームワーク力を向上させるための方策(2) 個人の資質を向上させるための方策
- 川崎医療福祉大学の論文
著者
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坂本 圭
川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉経営学科
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平田 智子
川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉経営学科
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植田 麻祐子
川崎医療福祉大学医療福祉マネジメント学部医療福祉経営学科
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