ハンセン病の歴史が、看護教育に問いかけるもの : 看護職が果たすべき倫理的責任と生命倫理
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概要
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わが国のハンセン病患者「強制隔離」政策に関しては、従来、もっぱら「医療政策」及び「医師」という観点から論じられてきた。しかし、その歴史については、看護職の立場から検討することも大きな課題として残されている。ここでは、まず看護師たちがハンセン病患者に対して使命感をもって看護にあたりながらも、大きな人権無視を侵してきたことを確認し、そのことから浮かび上がってくる「看護倫理教育」の課題として、患者の自己決定の権利や価値を擁護する看護職の責務について検討した。看護の実践や看護教育においては、「生命倫理学」が提唱してきた自己決定という権利に対する根本的な倫理的責務を、看護師自身も担っているという倫理的自覚が十分に育っているとはいえない現況にある。看護職にある者がその責務を果たしていくためには、過去の歴史に学び、「倫理」や「看護倫理」を系統的に習得する機会を早急に構築していかなければならない。
- 日本生命倫理学会の論文
- 2005-09-19
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