胃癌腹膜播種形成過程におけるインテグリンの役割
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概要
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ヒト大網と高度腹膜転移を起こす,ヒト胃低分化腺癌細胞株を用いた. 1)癌細胞と共に培養された大網の中皮は,時間の経過と共に半球状に収縮し,互いに離れ,脱落し,次第に中皮細胞下の基底膜が露出するようになった.癌細胞は中皮細胞上ではなく,選択的に露出した基底膜上に,長い義足様の突起を出して接着していた 2)腹腔内継代前の癌細胞に比べて,高度腹膜転移株では有意に多く大網に接着し,抗インテグリン・サブユニットβ1抗体により,癌細胞の大網への接着は有意に阻害された. 3)腹腔内で継代する前に比較して4代,12代と継代が進むにしたがい,インテグリン・サブユニットα2,α3のの発現量が増加した.腹膜播種の最初の段階で最も重要な役割を有するVLA-2,VLA-3を発現する癌細胞が,腹腔内継代により選択され,より強い腹膜播種能を有する高度腹膜転移株となると推察された
- 金沢大学の論文
- 1996-12-01
金沢大学 | 論文
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