偽落屑症候群における虹彩の病理組織学的研究
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概要
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本研究では偽落屑症候群における虹彩の微細構造的変化を研究し,本症候群において臨床的に観察される虹彩等の異常所見の原因の形態学的説明を試みた. 1)前境界層の細胞と虹彩色素上皮細胞における細胞内小器官の変性,細胞内及び細胞外空胞の形成,細胞の脱落は臨床的に虹彩萎縮として観察され,虹彩色素上皮細胞内のメラニン色素顆粒の遊離は散瞳後の前房内メラニン色素飛散として観察される. 2)瞳孔散大筋及び瞳孔括約筋の筋細胞における細胞内小器官の変性や細胞内空胞の出現等の非特異的変性,筋組織の菲薄化及び筋組織内の落屑物質の沈着は臨床的に観察される散瞳不良の所見と関連する. 3)血管内皮細胞,血管周囲細胞の変性と内皮細胞基底膜の断裂は血液房水柵の破綻をきたし臨床的には前眼部蛍光血管造影の異常として観察され,更に虹彩各部の血流障害を惹起し各組織の非特異的変性を惹起し得る
- 金沢大学の論文
- 1996-02-01
金沢大学 | 論文
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