皮膚電位反射(Skin Potential Reflex, S.P.R.)による精神薄弱児の類型
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概要
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1)精薄の定位反射の慣れを再検討し、S.P.R.による結果と大脳の興奮制止と慣れとの関係を解いたLuriaの仮説を検証する。2)山崎らが「精薄の注意散慢さによる」と指摘している精薄の定位反射の慣れの特異性を定位反射生起の状態と比校して検討する。3)以上を指標として精薄の類型化の手掛りをつかもうとする。方法1.被験者:実験群は、IQ50-60(12才月〜17才2月)の特殊学級男子生徒16名。統制群はIQ100-142(13才2月〜15才4月)の普通学級男子生徒9名。2.装置:三栄測器製1117型生体電気現象用記録計、リオンKK製音刺激装置3.手続:左中指未節掌画(関電極)および左手前腕部(無関電極)の電極装着部位に東芝ペックマンKK製の電極を両面接着テープにより固定し、防音室内の安楽椅子に開眼状態で座らせ、1000Hz,40dB,1secの音刺激をの音刺激をランダムに与える。結集:精薄は、1)定位反応が生起し難いが、慣れが極度に速い群、と2)正常児と同じ試行を要する群と3)なかなか慣れを示さない群とに分かれる。大脳皮質興奮水準を検討するために「定位づけスコア」(F.O.S.)を求めた。結果は高反応群が4F. O.S.,中反応群が2 3F.O.S.,低反応群が0.F.O.S.,そして正常群では1F.O.S.であった。以上から1)精薄は平等皮質下レベルでは交感緊張が低いが少しでも皮質レベルが関与した場合、高感緊張が高まってくる。2)精薄の皮質-皮質下レベルのダイナミックスにはバラツキが多く、Luriaの言う皮質での定位反射の促通性が関与しているのみならず皮質下の交感緊張も同時に関与している。などが考察される。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1973-12-01
著者
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