終夜睡眠ポリグラフィ(<解説特集>睡眠の生体計測技術)

概要

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睡眠は覚醒可能である正常な脳の活動としての意識水準の低下現象であり,終夜睡眠ポリグラフィ(Polysomnography:PSG)は睡眠中の生体現象を観察するための方法である.1929年にドイツの精神医学者Begerによる脳波の発見,1937年Loomisらは睡眠深度の判定,1953年にAserinskyとKleitmanによるレム(Rapid eye movement:REM)睡眠の発見は睡眠研究の契機となった.その後,脳波に加え,眼球運動および頤(オトガイ)筋筋電図の記録が睡眠判定の基準となり,1968年RechtschaffenとKales(R&K)が編集者となり,マニュアル化された.また,1965年,Gastautらにより,睡眠中の呼吸記録の追加で,閉塞性睡眠時無呼吸症候群における無呼吸が明らかにされ,睡眠障害の病態生理の解明にPSG技術の重要性が認められ,PSGは進歩,発展してきている.PSGは,脳波,眼球運動およびオトガイ筋筋電図を基本とし,呼吸曲線,心電図,酸素飽和度(SpO_2),前脛骨筋筋電図,いびき,体位,体動および体温などの生体現象を同時記録することにより,終夜における睡眠深度,その経過,睡眠時異常行動,睡眠中の呼吸および循環の生理現象を総合的かつ客観的に評価するための検査である.PSGは睡眠障害の診断や治療効果判定に用いられる.24時間社会,高齢化社会である現代において,多くの睡眠評価機器が提案されているが,医学的根拠に基づいたものは少ない.睡眠評価法として,PSGはGold standardとされる.本法は多大な労力を必要とし,被検査者にも負担が大きく,睡眠環境の変化が検査結果に影響を及ぼすことも事実であるが,快適睡眠および睡眠が関連する事故予防のための睡眠計測新技術開発の評価としても必須と考えられる.
2008-04-10

終夜睡眠ポリグラフィ(<解説特集>睡眠の生体計測技術)

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