マンガンによる硝子の着色
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概要
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マンガンによる硝子の着色は不安定にて熔融温度、時間又は成分が酸性又は鹽基性なりや等によりて異なり、依て著者は硝子成分により又は補助劑によるマンガンの着色性に付瓦斯窯及重油窯を使用して實驗しマンガンを着色劑又は脱色劑として使用する場合の參考とせんとし、(一)加里、曹達(二)石灰、酸化亞鉛、重土、酸化鉛、苦土(三)珪酸、硼酸等各種の化學的純粹なる又は精製せる原料を以て各種の硝子を作り二酸化マンガン MnO_2、酸化マンガン MnO、炭酸マンガン MnCO_3 等を配合し、二酸化マンガンの着色と酸化劑(硝酸曹達及び硝酸加里)、還元劑(酒石酸加里)、清澄劑(亞砒酸)との關係等を實驗し其の結累を綜合して、一般に曹達硝子は加里硝子に比し帶紅色を呈し、多少暗色を帶ぶる傾きあり、滿俺多量なるに至れば此差別なくなる事、アルカリ以外の鹽基にては鉛硝子は着色濃厚なる事、二酸化滿俺による紅色、紫色は MnO より酸化度高き即ち Mn_2O_3 の如きものによる事、酸化劑を加ふれば大概色濃くなる事、還元劑を加ふれば色淡くなる事、亞砒酸を加ふれば着色著しく變化され一般に淡くなる事、酸化劑及び亞砒酸を同時に加ふる時は複雑なる作用起り著しく着色變化さるゝ事等を結論し最後に以上の如き不安定なるマンガンを着色劑として使用するには總ての點に充分なる考慮を要する事を注意せり(倉橋)
- 1923-02-20
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