混播牧草の集団構成に関する研究 : I.チモシー・レッドクロバーの混播割合と施肥処理が播種当年の生育及び乾草收量に及ぼす影響

概要

論文の詳細を見る
チモシー・レッドクロバー混播において,草丈,開花まで日数及び乾草収量に対する混播割合と施肥処理との影響に関する試験を行つたが,播種当年に次のような知見が得られた。1.開花まで日数と草丈とに対する施肥処理の影響はチモシーとレッドクロバーとでは異るが,いずれも施肥処理間に有意な差があつた。混播割合の影響はレッドクロバーよりチモシーに明瞭で,チモシーの混播割合が小なるに従い,草丈はやや低くなり,開花まで日数も遅延した。2.乾草収量に対する施肥処理の影響は両草種とも著しかつた。3.乾草収量に対する混播割合の影響は,第1回刈取りでは,チモシーとレッドクロバーの集団密度効果はたがいに相手種より優位であつた。4.第2回刈取りでは,チモシーの乾草収量はレッドクロバーの集団密度効果に抑制された。5.第1回と第2回刈取りの合計乾草収量と混播割合との間には,チモシーにおいてY=bP+K,レッドクロバーにおいてy=K10^<bP>の関係が見出された。6.係数bの大さは施肥処理に対応的であつた。
日本草地学会の論文