乳用育成牛の放牧時における行動に関する研究 : 第1報 牛群の季節による行動の変化について
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概要
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1960年5月から10月までの間に,35頭のホルスタイン種および同種系育成牛群の行動について調査した結果は下記の通りであった。1)行動には採食,休息,移行,および移動の4つの形が見られ,各々の行動形は季節により異なる分布を示した。行動時間は6月が最も長く,日照時間が短くなるに従って短くなり,採食形は生産草量の少ない9月が長く草量の多い6月が最も短い。移行形および休息形はその逆で,移動形は6月と9月に顕著にみられた。2)各行動形の日周変化は生産草量の多い6月,7月においては,午前と午後に採食の山がみられたが,8月以降は休息時間が短いことが観察された。また起床して行動を開始する時間,および夜間の横臥して休息する時間は,日の出,日没の時間と関連するようであった。3)調査牛群の採食量を刈取法により調査した結果,6月の79.7kgが最も多く,8月の27.6kgが最も少なかった。また1日当りの増体量の最も多いのは5〜6月の0.75kgで,少ないのは8月の0.17kgであった。4)調査牛群中の1頭を選んで個体調査をした結果,採食に1日のうち平均8時間19分,休息に14時間51分,移動に50分を費した。歩行距離は2,036mで,飲水,採塩は1日に0〜1回,採塩量は平均1日33gであった。また1日の排糞は2〜5回,排尿は2〜10回で,とくに排尿回数は天候と関連するようであった。
- 日本草地学会の論文
- 1966-03-30
著者
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