青年期の自閉症者に対する心理劇の効果 : 10年間の実践の検討
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概要
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本論文では、青年期の自閉症者に対する心理劇の効用について検討することを目的とした。対象者は、自閉症者3名であった。彼らは知能レベルではそれぞれ軽度・中度・重度の障害があり、強迫的な行動様式など自閉症の症状を有していた。そこで10年間を大きく3期に分けて心理劇を実施した。また、心理劇のさまざまな技法を適宜取り入れ、本人たちの気持ちを表出できる状況づくりにつとめた。第1期では、3名とも役割レベル・自発性ともに低かったが、第2期・第3期になるにつれ役割レベルおよび自発性が高まっていった。あわせて、保護者や指導員の評価も行ったところ、心理劇の実施により他者の気持ちの理解や関心が増し、自分自身の気持ちの表現が豊かになったことが明らかになった。この報告を通して、青年期の自閉症者に対する心理劇は、彼らにとって生涯発達援助のひとつの方法として効果的であることを考察した。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2002-11-30
著者
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