事象関連電位を指標とした自閉症の情報処理 : 視覚刺激の同時呈示と継時呈示による比較
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概要
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事象関連電位により、自閉症者と健常者の情報処理の様子を比較した。課題は2つのひらがなを同時と継時の2方法による呈示で、その異同弁別を行った。自閉症者の情報処理についての問題として、従来指摘されていた視覚と聴覚というモダリティーでの差ということ以外に同時呈示と継時呈示の間に差が生じた。継時呈示される情報処理は同時呈示に比べ、そのN_A電位の潜時を比較すると健常者よりもその処理が遅れることがわかった。しかし、行動指標での正答率や反応時間には有意な差がなかった。自閉症者は継時処理ができないのではなく、継時呈示された情報の処理について健常者より多くの時間を必要とするといえる。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2000-09-30