精神遅滞児における数刺激等価関係の発達的特徴 : 数の表記と数に基づく集合生成の側面に関する検討
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概要
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数の表記の側面と数に基づく集合生成の側面について、精神遅滞児の発達的特徴を明らかにするため、MA3〜5歳の精神遅滞児(36名)と健常児(39名)を対象とし検討した。その結果、健常児3歳後半群では、数2・3で「数詞」「事物」「指表示」の等価関係(T1)、健常児4歳後半群では数6・7で「数詞」「数字」「指表示」の等価関係(T3)の評価点が有意に高かった。MA 3歳の精神遅滞児では、数1〜2・3でT3の評価点が高かった。T3は数の表記の側面に関与する。T1は数に基づく集合生成の側面に関する操作を含んでいる。これより数1〜3に関して、健常児では数に基づく集合操作の側面に関する発達が優勢に進行するのに対して、精神遅滞児では、数の表記の側面に関する発達が優勢であることが指摘できた。また、発達初期の数刺激操作の拡張に刺激等価性が関与することが指摘できた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2000-09-30