弱視者の線の認知に関する基礎的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中間透光体混濁と屈折異常の弱視シミュレーション、及び弱視被験者により、弱視児・者が支障なく課題遂行できる最小の線幅(有効線幅)と線種による有効線幅の違いを検討した。線幅は0.1mm〜1.5mm、線種は実線、破線、点線、鎖線の4種類を設定し、記号で結びつけられた線を追う認知課題を行った。実験の結果、有効線幅はランドルト環の切れ目幅(分)の1/15であり、中間透光体に混濁があるような場合は、屈折異常と比較して有効線幅は3倍程度太いこと、線の種類としては本研究で設定した実線部が1mmで、実線にはさまれた空間部分が1mmの点線は、他の線種と比較して有効線幅が太いことが明らかとなった。また、近距離視力(分)を予測変数(x)、線幅(分)を目的変数(y)として屈折異常の予測式、y=1.05+0.07xと、中間透光体混濁の予測式、y=0.52+0.23xが求められ、これらの予測式が弱視者にも妥当であることが確認された。
- 1997-06-30