精神遅滞児の利き手に関する研究 : 性差、遅滞の程度、親の利き手との関係について
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概要
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本研究では、精神遅滞児の利き手について、性差、遅滞の程度、及び親の利き手との関係の3点から検討した。健常群は2〜3歳、4歳、5歳、6歳、8〜14歳、15〜26歳の6年齢群について検討し、遅滞群は軽度・中度・重度の3群で検討した。利き手の測定は質問紙法によった。6種類の動作項目によるラテラリティー指数から右手・混合型・左手の各タイプの利き手の出現率を求め、混合型についてはさらに指数の絶対値から側性化の程度も検討した。その結果、健常群男子では2〜3歳群と8〜14歳群が他の年齢群に比べて混合型が有意に多く、またこれらの年齢群では性差が見られ、男子で混合型が有意に多かった。遅滞群では、遅滞の程度、男女間において差はなかったが、健常群との比較検討からは、遅滞群女子で混合型が有意に多かった。親の利き手との関係の検討からは、遅滞群女子で非家族性の(病理的)要因の関与が大きいことが推測された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1996-06-30
著者
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