発達遅滞児における貨幣価の理解
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概要
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本研究では、発達遅滞児が自立した生活を送るために必要な技能の一つとして貨幣価の理解を取り上げた。発達遅滞児に貸幣価を理解させるための訓練プログラムの作成には、貨幣価理解の基本的な要因を明らかにしなければならない。そのために、数や貨幣概念が未成立な発達遅滞児1名と健常児2名に対し2つの実験を行った。実験に参加した児童は、自閉症男児(精神年齢3歳1ヶ月)と、健常女児(生活年齢4歳6ヶ月)と健常男児(3歳5ヶ月)の各1名である。第1実験では、刺激等価性に基づく無過誤学習手続きによって、100円と10円硬貨の音声統制を形成した。その結果、形成までに自閉症児は健常児たちよりも多くの試行数を要した。しかし、全員音声によって2種類の硬貨を弁別し、数字と硬貨間の等価な関係を理解するとともに自発的な数唱も発現させた。しかし、自閉症児は10円と100円硬貨の間の大小比較についての技能は完全には成立させなかった。このため、第2実験では、同自閉症児に対して10円から10円刻みで100円までの金額について、硬貨と数字それぞれの大小の弁別訓練を実施し、数字から硬貨、およびその逆も含めた刺激般化を検証した。その結果、刺激般化は不成立であった。2つの実験の結果から、貨幣価を理解させる訓練プログラムにおける必要条件を検討した。
- 1996-01-31
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