授業の実践段階における授業批評の影響
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概要
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本研究は、授業批評が重度重複障害児の授業の実践段階での改善にどのように影響するのかを明らかにし、かつどのような批評が有効であるのかを考察するために行われた。そのために、養護学校(精肢併合)小学部低学年の研究授業での、授業案、授業批評の記録、研究授業記録、研究授業後の授業記録を資料として、これらの関連性を分析することによって、授業の改善に対する授業批評の影響を明らかにした。その結果、授業者が改善を望みその必要性を認識している点だけでなく、授業者が気づいてない点についてもそれが授業意図や目標を達成するために必要であることを具体的、建設的な批評によって気づかせることで、実践レベルでの手だての改善がなされ、子どもの活動が変わっていくことが明らかになった。授業者の授業意図を実現するような方向での授業の事実を踏まえた具体的、建設的な批評は、「持て成し」批評であり、これが有効なものであった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1995-06-30
著者
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