脳性まひ者のコンピュータ利用における記号の選択方式について : 分割選択方式のコミュニケーション・エイドを適用した事例(実践研究特集号)
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概要
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書字が困難な重度脳性まひ者1名に分割選択方式のコミュニケーション・エイドを開発・導入し、その適性を検討した。64種の記号のマトリックスを、(1)2分割で選択する条件と、(2)4分割で選択する条件の2種でシステムを設定し、それぞれの操作能率を測定したところ、この事例では同一時間に入力できる文字数が2分割条件で有意に多い。また(1)同一画面上で選択を繰り返すか、(2)非選択面を消去するかという画面表示の差は能率に影響しないが、対象者は非選択面が消去される仕様を好んでいる。2分割条件での入力は10分間に25文字程度で安定しており、誤った入力が起こった後の処理も容易なことから、対象者は従来の走査選択方式のシステムよりも、この分割選択方式のシステムを利用することが適当と考えられる。ただし2分割条件と4分割条件のどちらが能率的であるか、および画面表示をどのように設定するかは、対象者の障害による個別的な問題と考えられ、機器の適用には事前・事後のアセスメントが重要になる。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1994-03-31
著者
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