WISC-RによるDuchenne型筋ジストロフィー患児の知能の分析
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概要
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Duchenne型進行性筋ジストロフィー(DMD)患児では知能障害のあることが知られている。本研究ではこの点についてWISC-Rを用いて検討した。対象は、全国15ヶ所の国立療養所に入院中のDMD197例、年齢6〜16歳、入院期間1年未満〜11年、障害度1〜8である。その結果、平均FIQは67.8±19.4であり、その分布は70台をピークに低い側へ偏っていること、VIQは70.2±19.4、PIQは75.2±18.2でありPIQが有意に高いこと、年齢および障害度との関係はないこと、入院期間が長くなるにつれIQが低下する傾向がうかがわれること、下位検査では算数、符号の成績が低いことが明らかになった。知能障害の原因については、これまでの研究成果とあわせて「一次的」なものと考えられた。また、WISCでのIQと大きな差がみられた。その要因については今後の検討課題である。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1988-02-20
著者
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