知能障害児における認識と運動調整力との連関 : 立幅跳跳躍距離調整を課題として
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概要
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認識と運動調整力との連関性に関し、立幅跳跳躍距離調整力(最大努力で跳んだ距離の「半分」の距離の跳躍が課題とされた)が「半分」概念の認識の程度にどのように影響されるかをMA2歳後半から5歳前半の知能障害児を対象にして、普通児との比較検討をおこなった。その結果、認識のレベルが深くなるほど、運動調整力もよくなることが見い出されたが、とりわけ知能障害児には、運動調整力自体に固有の未発達がある、すなわち、「わかっていてもできない」という認識と運動調整力との不一致の存在が示唆された。そこで、立幅跳遂行の際に視覚的補助(目標線)を捜入することにより、認識に関しては捨象したうえで、運動の視覚的調整力に関して補足的に検討した。その結果、視覚的調整力は高年齢ほどよくなり、同一年齢でも、認識のレベルが高いほど視覚的調整力はよくなることが見い出されたが、知能障害児における視覚的調整力の未発達が指摘された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1981-10-20