脳性麻痺者の上肢運動分析への自動制御理論の適用

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概要

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脳性麻痺者の運動制御の特性を定量的に明らかにするため、自動制御理論の適用を試みた。被験者は健常者8名、脳性麻痺者5名である。被験者の肘関節に装着された角度計で前腕屈曲角を検出し、これと目標値との間の偏差をシンクロスコープ上に垂直方向の光点の変位として呈示する。被験者は、できるだけ偏差を少なくするように前腕の制御動作を行なう。目標値は階段波及び正弦波である。階段波応答より動作の速応度を、正弦波応答より動作の安定度を求め、また、偏差面積を制御成績の指標として測定した。その結果、脳性麻痺者は、健常老に比べ、速応度の小さい傾向がみられ、安定度については、両群間に有意差は認められなかった。制御成績については、脳性麻痺者群は健常者群より有意に劣っていた。以上の結果から、脳性麻痺者は速応度の犠牲のもとに、安定度を引き上げることにより、合目的的動作を遂行していると考えられる。
1981-03-30

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