自閉児の視知覚能力と文字の読み書き水準および行動特徴との関連
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概要
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自閉的傾向をもつ児童とそれを有しないが知的発達に問題をもつ児童について、視知覚能力と文字の読み書き水準、および行動特徴との関連を調べた。52名の対象児は、小学校特殊学級ないし養護学校に在籍しており、CAは81か月から147か月(中央値115か月)である。医師の診断により26名の自閉群と同数の非自閉群に分類されたが、両群のCAに差はない。視知覚能力はFrostig視知覚発達検査、文字の読み書き水準は担任教師の評定、行動特徴はWingの「臨床的記述と診断の枠組」から作成した項目により評価された。視知覚発達検査の結果、「空間における位置」のテストにおいて自閉群が特に劣っていた。因子分析の結果、第1因子として「自閉症と連関した言語問題」因子、第2因子として「文字の読み書きと連関した視知覚能力」因子、第3因子として「自閉症と連関した感覚問題」因子が見い出された。読み書き水準と自閉症が比較的独立していることは、先行研究と合致した。
- 1980-07-31