精神薄弱児の概念形成(1) : 認知的等価性と言語的概念について
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概要
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単語の抽象において、3物間抽象は2物間抽象に比べて概念的抽象を増大させることが明らかにされている。絵カードの分類とその理由の言語化に、刺激数がどのような影響を与えるかは、明確にされていない。そこで、本研究では、類を一定にして、要素の数を3、5、7と変化させた場合、要素の数が分類と分類理由の言語化におよぼす影響について検討した。5-6才、7-8才、9-10才段階の正常児133名と精薄児97名に、上位概念(果物、動物、乗物の3つの類)、あるいは、色、形でカテゴリー化できる絵カードを分類させ、分類理由を言語報告させた。正常児9-10才を除く全群で、要素の数が多くなる程、分類は困難になり、特に正常児7-8才で著しかつた。また、3つの類を完全分類できた場合に限り、要素の数の増加に伴って、全群で記号象徴的表象が増えており、精薄児5-6才でその傾向が著しかった。
- 1980-03-15