聴取困難度を指標とした語音聴力検査の検討
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概要
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本研究は、語音の「ききにくさ」の程度を他覚的に規定することを目的とした。被験者の感じる「ききにくさ」が他覚的に規定しうるならば、これと自覚的な語音聴力検査結果を比較検討することによって、語音聴力検査の結果の解釈に客観性を加えることができよう。健聴な大学生に単音節をヘッドホンより、ききやすい条件と3種類のききにくい条件で提示し、それぞれの正答率と脈波振幅の変化との関連を比較した。ききやすい条件では約90%の正答率が得られ、脈波の変化は小さく(平均0.4mm)、ききにくい条件では50-60%の正答率しか得られず、脈波は大きな変化を示した(0.5〜0.6mm)。また、脈波振幅の変化と正当率は負の相関を示した。ききにくい条件でききとりを行い、正答率が低下するほど、脈波の変化振幅は大きな変化を示したことから、脈波振幅の変化が「ききにくさ」の指標となると思われる。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1978-07-15
著者
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