外部情報のソースモニタリング能力に関する発達的研究
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概要
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本研究では,外部情報のソースモニタリング能力について幼児と成人を対象とした発達的検討を行った。第1実験では,まず学習として男性と女性の2つの音声刺激で単語を聞かせた。その2分後のテスト時では,再認テストとソースモニタリングテストを行った。ソースモニタリングテストでは,単語を"男性の声だけで聞いた","女性の声だけで聞いた","男性と女性の両方の声で聞いた","どちらの声でも聞かなかった",の4つの項目から判断させた。その結果,幼児は成人と比較してソースモニタリングテストの成績が悪く,中でも"両方に共通する情報(両方の声で聞いた)"という判断項目の成績が級も悪かった。よって第2実験では,"両方に共通する情報"という判断項目に対する成績が悪かった原因として提示する刺激の類似性に注目した。第1実験で用いた2つの刺激は音声と音声の区別という類似性の高い刺激であると考えられた。従って単語が両方に提示されたことにより気付きやすくするため,第2実験では提示する2つの刺激を類似性の低い刺激,つまり画像刺激と音声刺激,に変更して第1実験と同様の方法で検討を行った。しかし結果は第1実験と同様であり,本研究において幼児はソースモニタリング能力が十分に発達しておらず,中でも2つの情報源の両方から情報が発信されたと判断することが困難であるということが明らかとなった
- 日本発達心理学会の論文
- 2008-05-10
著者
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