急斜面崩壊による自発的土石流に関する実験的研究 : 含水率と流れの規模を考慮した摩擦係数のスケーリング
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概要
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土石流の摩擦係数に対するスケーリング則を見出すため,均一粒径のガラスビーズ(粒径:0.2mm)を用いた斜路実験を行った.斜路は急傾斜(25°)の上流部と緩傾斜(可変)の下流部から成る.上流端付近に湿らせたガラスビーズを積み上げて急斜面を作り、その上流側に溜めた水を浸透させることで急斜面を崩壊させて,土石流を発生させた.流れは上流部で加速し,下流部で減速して堆積する.解析の結果,摩擦係数μは,(1)含水率Wおよびガラスビーズの総質量が大きいほど小さくなること,と(2)2つの無次元パラメーターWとV/H^3(V:土石流の体積,H:土石流の発生地点と堆積地点との高低差)を用いてスケーリングができることが分かった.得られたスケール則を用いて、野外で発生した土石流の含水率の推定を試みた.
- 2008-04-25
著者
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砂村 継夫
大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻
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遠藤 徳孝
金沢大学自然科学研究科環境科学専攻
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遠藤 徳孝
金沢大学自然科学研究科地球環境学専攻
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砂村 継夫
大阪大学大学院理学研究科宇宙地球学専攻
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砂村 継夫
大阪大学大学院理学研究科
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安田 正幸
大阪大学大学院理学研究科宇宙地球学専攻:(現)大阪明星学園
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遠藤 徳孝
金沢大学自然科学研究科
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