超高真空ノンコンタクト原子間力顕微鏡の開発とその応用
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概要
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一定加振方式の周波数検出を用いた超高真空ノンコンタクト原子間力顕微鏡(UHV NC-AFM)を開発し,既に走査トンネル電子顕微鏡(STM)で原子像観察されているSi(111)7×7, Si(100)2×1構造の観察,及びSTMでは観察不可能なポリプロピレンの結晶表面の観察を行った.Si表面ではSTMと同様な原子構造がNC-AFMで観察されたが, Si(100)2×1構造ではSTMを越える分解能が得られた.また,ポリプロピレンにおいても分子鎖が明瞭に観察できる高分解能が得られた.更にNC-AFMの応用として,静電気力の勾配を検出する方式の超高真空走査ケルビンプローブ顕微鏡(UHV SKPM)を開発した.Ag及びAuを蒸着したSi(111)7×7表面の表面電位観察では,10meV程度の電位分解能で原子レベルの電位分布を観察することができた.原子レベルの電位分布は表面の局所電子密度を反映していると解釈することで説明でき,一般的な仕事関数との比較とは必ずしも一致しないことが分かった.一方,一般的な仕事関数との関係は電位分布の平均値がそれを反映しており,同じp型の基板においてAuの被覆率が大きいほど仕事関数が大きく,また同じ被覆率ならばn型よりp型のほうが仕事関数が大きいという結果が得られ,一般的な仕事関数の大小関係と一致した.
- 2008-03-05
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