量子多体系の回転運動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
回転運動には古典的な描像がある.量子多体系において,構成粒子間に方向に関する強い相関があり,それを特徴づける内部座標軸が物理的に決められるとき,その座標軸の回転運動が系の状態の記述に有効となり,異なる角運動量状態から構成した波束で,量子状態群を回転バンドとしてまとめて表現できる.気体分子は,構成する原子の校閲距離がほとんど変わらない強い相関があるので,剛体と考えられ,その慣性主軸の運動として回転バンドが記述できる.回転対称性を自発的に破る自己無撞着な一体場を介して,量子多体系の状態を構成したとき,回転運動は,波束から角運動量射影し対称性を回復する機構と理解できる.変形した原子核は変形主軸を座標軸とする内部状態である.最近の高スピン核分光の実験で話題となったワブリングを紹介しながら,量子多体系の回転運動の記述について解説する.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 2008-03-05
著者
関連論文
- 量子多体系の回転運動
- 原子核における相転移
- 4a-A-1 Generator Coordinateの方法による原子核の集団運動
- 7a-K-7 荷電変換反応におけるtwo step processの寄与
- Generator Coordinate の方法による原子核の集団運動
- Generator Wave Functionについて(原子核における「集団運動」の研究(会報告II),研究会報告)
- 21aZD-12 3D-CHFB理論による回転する極低温原子気体の多重凝縮状態について(21aZD 量子エレクトロニクス(Bose原子系の理論),領域1(原子・分子,量子エレクトロニクス,放射線物理))
- 23pRF-9 3D-CHFB理論でのBose原子気体の2体相互作用の記述(量子エレクトロニクス(光学格子系・Fermi原子系・Bose原子系の理論),領域1,原子・分子,量子エレクトロニクス,放射線物理)
- 21pRG-5 Cranked-HFB理論によるBose希薄原子気体の回転状態の記述(量子エレクトロニクス(Bose原子系の理論),領域1,原子・分子,量子エレクトロニクス,放射線物理)
- 24aRB-1 Cranking HFB理論によるBECの記述について(24aRB 量子エレクトロニクス(原子のBEC・冷却原子実験),領域1(原子・分子,量子エレクトロニクス,放射線物理))