『テス』に見る象徴の固定と溶解(小樽商科大学創立80周年記念論集)
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概要
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『テス』(Tess of the d'Urbervilles)の中に用いられているいくつかの象徴は、何度となく繰返され絡み合いながら、次第にテスを苦境に追いつめてゆき、謂わぼ彼女を死へ導く役目を果たしているように思われる。しかしながら、シンボルをこのように一義的に固定してしまえば、テスの生涯は機械仕掛けの如く、ただ悲劇へ向かうだけのものにすぎなくなる。以下の論述では、この作品の中から代表的シンボルと思われるものをいくつか取り上げ、その多義的性質を検討することによって、テスが一義的に固定されたシンボルに堕することを拒否し、無限に多義的な流動体として存在していることを明らかにしたい。
- 小樽商科大学の論文
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