BoethiusのDe Consolatione Philosophiae(神谷信彦教授退職記念号)
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概要
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ボエティウスはローマの貴族の家庭に生まれたが,陰謀を働いた廉でパヴィアの牢獄に幽閉された。処刑されるまでの間に牢獄の中で書いたのが,この有名な『哲学の慰め』である。「思いを深く真理探究に致す者は/また岐路に迷うことを欲しない者は/心眼の光りを自己自らの中に向けよ」(III. m. 11. 1-3)と述べているように,獄中で筆を進める彼の精神力と記憶力の強靱さに今更ながら驚かされる。学問を中途で放棄するな,真摯な情熱を抱けと後世の人々を励まし,知の追求と神の愛こそ人間の真の幸福の源泉と明言する。神の叡知,即ち神の摂理(Providence)を解するために,可能な限り頂上に登らなければならない。行動を引き起こすのは,意思と力である。
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