ペット輸入大国日本,特にカメ類の輸入について(<特集>愛知学泉大学コミュニティ政策研究所第13回シンポジウム「さらわれるカメ、捨てられるカメ、殺されるカメ-愛玩動物とコミュニティ-」)
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概要
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マッコードナガクビガメはインドネシア東部のチモールに近いロティ島だけに生息する希少なカメだが,1994年に新種記載されたのを契機として,国際的な需要が高まった。このカメはニューギニアナガクビガメC. novaeguineaeとして,ロティ島から持ち出され輸出されていた。新種記載を機会に法的な保護下におかれることになり,輸出は禁止された。ただし,ワシントン条約(正しくは,絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora。略称は,CITES)では附属書IIに掲載されている。これは原産国政府発行の輸出許可書があれば商取引を認められる種だということである。しかしインドネシア政府は1997年に国内法によって,捕獲と輸送(原産地からの移動)について割当許可制度を定めた。以後,現在まで捕獲も輸送も,1件たりとも認められていない。したがって1994年以降に輸出されたマッコードナガクビガメは,ことごとく違法に入手されたものである。しかし,今なお,このような違法個体がヨーロッパ,北米,東アジアの愛好家やコレクターの手元に届いている。もし,このまま推移すれば,マッコードナガクビガメは,そう遠くない将来,野生では絶滅するだろう。マッコードナガクビガメの保護の第一歩は,国内法を厳重に執行することだが,インドネシア政府のCITES管理当局(PHKA)は同科学当局(LIPI)と協力し,マッコードナガクビガメが附属書I(国際商取引は原則禁止)に格上げされるよう努めている。
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