水平バネ振り子と単振り子からなる系の周期的な振る舞い
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水平バネ振り子と単振り子からなる系の周期的な振る舞いが数値的な方法で調べられた。微小振動理論が適用できない水平バネ振り子の初期変位と単振り子の初期角度の特別な組み合わせ(0.13m,53.59°)に対して,水平バネ振り子は単振り子よりも特異な振る舞いをすることが見いだされた。2つの振り子が同方向に振動する場合,単振り子のおもりは静かに手放されてから最下点まで徐々に加速され,最下点を通過後,徐々に減速され,手放した位置とは水平バネ振り子のおもりのつりあい位置を通る鉛直軸に関して反対側の対称な位置に達する。その後,逆の経路をたどって最下点まで徐々に加速され,続いて徐々に減速されて手放した位置まで戻る。そして,この振動が周期的に繰り返される。一方,水平バネ振り子のおもりは静かに手放されてから徐々に加速されるが,つりあい位置の手前で減速され,つりあい位置を通過してしばらくは加速され,その後徐々に減速され,手放した位置とは水平バネ振り子のおもりのつりあい位置を通る鉛直軸に関して反対側の対称な位置に達する。その後,逆の経路をたどってつりあい位置の手前まで徐々に加速され,その後減速されてつりあい位置を通過し,続いてしばらくは加速された後,徐々に減速されて手放した位置まで戻る。そして,この振動が周期的に繰り返される。2つの振り子の振幅は位相を等しくして同じ周期で振動する。水平バネ振り子と単振り子からなる系の周期的な振る舞いは,水平バネ振り子の初期変位と単振り子の初期角度の数多くの組み合わせに対して一般的な特性である。そして,周期的な振る舞いをする系に対して,系の全エネルギー,水平バネ振り子の初期変位,そして単振り子の初期角度の間に近似的な関係が数値的に見いだされた。水平バネ振り子と単振り子からなる系で,水平バネ振り子の初期変位が大きく,単振り子の初期角度が極端に大きい場合の2つの振り子の振る舞いについても言及し,カオスを特徴づける数理的性質の1つである「初期値に対する鋭敏な依存性」を確かめることにより,その振る舞いがカオス的であることの傍証を与える。
- 神戸親和女子大学の論文
著者
関連論文
- グラフ解析による3次関数族Q_c(x)=c(x-x^3)のダイナミックス
- 二重振り子の周期的な振る舞い
- 脳波(EEG)へのサロゲートデータ法の適用
- 3次関数族Q_c(x)=c(x-x^3)のダイナミクッス(II)
- 水平バネ振り子と単振り子からなる系の周期的な振る舞い
- 軸対称ノズル内の遷音速流れ(そのII)
- 傾斜海岸の上の水波
- 軸対称ノズル内の遷音速流れ(開学20周年記念号)
- 内部非平衡を伴う気体流中の十分に分散したきわめて弱い斜め衝撃波の構造