交差方位法による測定船位の半径等価線図について
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概要
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方位線による位置測定の最適化を考える場合,二つの立場がある。その一は,測点を固定しておいて対象に選択性を与える測位の立場であり,その二は固定された定点の回りにおける精度分布を考える占位の立場である。次に位置の精度を単一量で表示するには,測点の確率密度あるいはある確率をもって船位が含まれる楕円の面積をもってするのが理論的に妥当である。これらによれば,測定位置相互間の比較には有効適切である。この確率密度による測位の最適化や,定点の回りにおける精度分布についてはすでに報告されている。しかしこの方法の難点は,個々の測点について誤差界の形状,大きさを把握することが容易でない所にある。これに対し確率円の半径で表示する方法は,実用上簡便ではあるが,円周が等確率密度線を斜断する関係上面積が過大となる欠点をもつ。しかし測位の立場よりすれば,その欠点が顕著にならないよう対象選択上の配慮によって解決すればよい。この方式による物標選択法については,若干の事例についてさきに報告した。本報においては,3定点よりの方位線によって位置を求めた場合,95%確率円の半径が等しくなる点の軌跡すなわち半径の等価線図を描くことを企図した。その場合3物標の組み合わせは無数に存在するが,基線長が等しい場合と1:2の場合につき,また基線角は0°より90°まで30°ごとにとって等価線図を描いた。それらを,Fig.2,Fig.4に示し,両者について若干の考察を行なった。
- 公益社団法人日本航海学会の論文
- 1983-01-25