1.π中間子-核子散乱についてII
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概要
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同項目の(I)において,核子によるπ中間子の散乱をGoldbergerno形式を用いて,摂動論とは違った一応閉ぢた形式で取扱う方法について述べた。その場合核子の自己エネルギーによる項をくり込む必要が生じてくるが,くり込みの操作は元来相対論的形式及び攝動論と密接に結びついているので,我々の方法に対しこれを適用することはかなり面倒な問題である。(I)では摂動論との対応から一応consistentと思われるくり込みを行つたが,§1ではその点につき,もう少し立入つた考察を行い,又逆にくり込んだ後の結果だけが問題になることから計算を簡単化することを考える。§2では(I)で触れなかつた高次のpotentialの影響を取入れる方法を考える。これは2次のpotentialでは中間状態で同時には1個のmesonしか存在しない場合だけを考えたのに対し,2個,3個……が存在する場合を順次に取入れることに対応する。但し具体的な計算の結果はこゝでは与えられない。§3では,2次のpotentialだけを考える(I)と同じ近似で対称擬スカラー理論による散乱を取扱う。結果はI=J=3/2で共鳴が起ることを示している。従つて角分布なあまり実験と合わないが,これは最も相対論的補正を必要とするであろうから,非相対論の範囲では,一応満足すべき結果であると考えても,I=J=3/2で共鳴が起ることは,potentialの形にそれ程sensitiveな結果とは考えられないから,高次のpotentialの吟味はやはり必要であろう。
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