高エネルギー弾性散乱に対するS-MatrixのUnitary条件(「宇宙線領域と加速器領域の素粒子物理学」「S行列理論」合同研究会(1965年12月),研究会報告)
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概要
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S matrixのunitary条件は、2粒子の弾性散乱披巾<a|T|b>に対して次の様にかかれる;(1,1) Im<a|T|b>=1/2Σ__n<a|T^+|n><n|T|b>。高エネルギー散乱では、unitary channel{|n>}には弾性状態だけでなく非弾性状態もとり入れなければならない。このunitay Channelと弾性散乱との関係を調べる。非弾性状態は、互いに相互作用のない中間子の生成した状態と考える。この際、入射粒子の非弾性散乱振巾は、弾性散乱振巾からエネルギー運動保存を通して解析接続されるものと仮定する。次節で示すように、こう仮定する事によつて、入射状態は非常に取扱い易い形に表現できることになる。得られた結論は次の通りである。(1,1)に於けるunitary channelはすべての弾性散乱に対して同じでなく、一般には散乱角によつて異なつている;もし2次粒子の運動量分布が非等方であれば(実際宇宙線のjet現象に観測される2次粒子の運動量分布はそうなつている)unitary channelの非弾性度は、小角度弾性散乱に対しては大きく、大角度散乱に対しては小さい。もし、2次粒子運動量分布が完全に等方的であれば、非弾性度はすべての角の弾性散乱に対して等しい。先に述べた仮定はこれらの結論にとつて別に本質的なことではない。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1966-02-20
著者
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