8 Born近似の性質について
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概要
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Born近似の収斂の性質を詳しく研究しました。ポテンシヤルによる散乱をBorn近似で解くことは,基礎方程式を非斉次の積分方程式に書き変えて, iterationで問題を解くこと(深さλによるべき展開)なのですが,そのiterationが収斂するためには, potentialの深さのparameterλが,積分方程式のFredholm行列式の零点のどれよりも,絶対値に於いて小でなければなりません。このようにして収斂半径をn-p散乱(箱型によるS-波及P-波散乱)について計算しておきました。しかし収斂半径がわかっても(従つてλの展開は収斂することがわかつても)有限回のiterationによる誤差,つまりfirst Bornとかsecond Bornの場合の誤差は勿論わからないわけですが,我々の場合のように積分方程式のIterationの形でλの巾展開をする場合には,λの展開を有限ケで切つた時に生ずる誤差は,収斂半径だけがわかれば,上限と加減ではさんで見積もることが出来ること,及び収斂半径が大なら確かに近似がよいことが示されています。それからsecond Bornと同じ計算の手数を要するSchwingerの変分法による近似はsecond Bornよりも常に優れていることも証明してあります。素研の性質上,得られた主な結果や役に立ちそうなことはすべて§1に集めておきますから,一般用としては§1だけお読みになれば充分と思います。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
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