原子核独立粒子構造の力学的基礎について(外国文献翻訳)
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概要
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本文で原子核独立粒子構造の力学的基礎の問題を討論し、独立粒子運動の基本的因素は体積効果であることを指摘する。閉殻附近の核子は内部のその他の核子との相互作用の結果、自分の囲りの核物質の極化を生じ、囲りに核子雲を形成する。その為この核子の磁気モーメント、有効電荷等は一定の変化を生ずる。しかし角運動量とパリティー保存則から、この極化した核子雲をもつ核子の角運動量とパリティーは変らない。原子核内で二つの核子の衝突する確率は原子核の体積Ωと反比例し、三つの核子が衝突する確率はΩ^2に反比例する。以下同様。このようにして我々は何故、結合理論で原子核のエネルギー準位を計算することが正しいか、又殻構造によつて核子の角運動量とパリティーを決めるのが正しいかということを証明した。しかし殻模型の波動函数で原子核の磁気モーメントと遷移確率を計算することは出来ない。
- 素粒子論グループ 素粒子研究編集部の論文
- 1960-05-20