半導体化合物の熱膨張係数とWeinsteinの1次相関の破綻
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概要
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正四面体的配置をとる共有結合性半導体の熱膨張係数の温度依存性と格子熱振動への圧力効果とが,電子物性論の立場から一貫して取り扱われる。Weinsteinは,これら半導体において,X点での横音響(TA)モードGruneisenパラメータγ^X_<TA>と共有結合一金属結合相転移圧力P_tとの間に1次の相関が経験的に成り立つことを見出した。この経験則はSi, GaP, ZnS, ZnSe, ZnTeに対しては満足されるが,GaAs, InPにっいてはこの1次相関から大きくずれることが報告されている。それにも拘らず,GaAsの熱膨張係数の温度依存性は,測定値をよく再現できる。又,実験的に未報告のInPの熱膨張係数の温度依存性も理論的に推定される。更に,ZnS, ZnSe, ZnTe, GaAs, InPの高温での熱膨張には,光学(O)モードだけでなく,帯境界近傍の縦音響(LA)モードの寄与も重要であることが縮められる。
- 物性研究刊行会の論文
- 1982-05-20
著者
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