多目的遺伝的アルゴリズムのための分散協力型スキームの検討

概要

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近年、多目的最適化問題においてパレート解集合を求める手法として、多くの遺伝的アルゴリズムが開発され、これらは多目的GAと呼ばれている。得られるパレート解集合には、精度、均一な分散、幅広さといった評価において優れていることが重要である。従来の多目的GAにおいては、解の精度、均一な分散を考慮したメカニズムが検討されてきたが、幅広さを考慮したものは多くない。一方で、奥田らは解の幅広さのメカニズムを考慮した分散協力型スキーム(DC-Scheme)を提案している。DC-Schemeでは、多目的GAと単一目的GAの両方を利用して幅広い解の導出に成功している。本研究ではさらに、DC-Schemeに改良を加える。改良したmDC-Schemeは、分散スキーム、協調探索、パレートアーカイブといった特徴を有している。数値実験より、mDC-Schemeの性能を検討したところ以下の2点が明らかとなった。1点目は、通常の多目的GA手法よりも幅広い解集合を得ることが可能であることである。2点目は、単一目的GA個体群にもパレートアーカイブを導入することにより、解集合の精度に改善が見られたことである。