心臓血管外科術前後の活動性と健康関連QOL

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心臓血管外科での手術対象は高齢化が進み、手術数は近年急速に増加している。術後に病棟内歩行や階段昇降が自立し、順調に回復経過を辿り、退院する患者がいる反面、階段昇降まで自立したにもかかわらず、活動性の低い症例が存在している。そこで、今回我々は術前の健康関連Quality of Life(以下HRQOL)と術前・術後第1週における活動量との間に関連があるかを検討したので報告する。検討した症例は、岸和田徳洲会病院心臓血管外科で2006年1月1日から2月28日に待期的手術を行い、歩行を妨げるような著しい運動器系障害がなかった13例(平均年齢67.8歳)であった。方法は、入院時と術後第7-8病日に新しく開発された3軸MEMSによる加速度センサーを応用した活動量計を腰部に24時間装着し、消費カロリー、運動量、2METs以上の活動時間および歩数を測定・算出した。また、入院時に身体的健康状態と精神的健康状態を把握するために、SF-36日本語・アキュート版を測定し、これらの結果と術前後のデータ間の関連性を検定した。結果として、消費カロリー、運動量、歩数は術前・術後で強い相関があった。年齢と術前歩数、年齢と2METs以上の活動時間は逆相関、術前歩数と2METs以上の活動時間は、正の相関を示した。術前後の運動量と歩数の変化率は中等度の正の相関、運動量の術後変化率はSF-36の全体的健康感と中等度の逆相関があった。心臓血管外科術後第1週の活動性は術前を反映しており、術前の全体的健康感が低いと運動量の術後改善率は高いことが示唆された。今後、急増および高齢化している心臓血管外科対象患者に対する運動療法、栄養療法、HRQOL、心理面も含めた総合的な術前後プログラムを開発するためにさらに研究を進めることが必要である。
神戸学院大学の論文

心臓血管外科術前後の活動性と健康関連QOL

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