旅に学ぶ : 宮本常一の旅学
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概要
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旅をして一生を終えた民俗学者がいた。宮本常一のことである。宮本常一最初の旅は、『民俗学の旅』に記されている。「汽車に乗ったら窓から外をよく見よ」と、父親から教えられている。田や畑に何が植えられているか、村の家が大きいか小さいか。素通りでも注意すると得るものがあるということを。宮本常一最後の旅は中国旅行であった。・桂林へ、上から多少写真を撮ったんです。・上空から、そのとき、上海、北京の間の華北の平野を見おろす機会をもったんです。あそこで条里制といいますか、口分田の制度ができましたのは、-略-それを目のあたりにすることができて、大変驚いたんです。民俗学者らしく、実際に現地でそれを見て、感じとっているのである。しかも飛行機の窓よりに座ってのことであろうと思われる。「汽車に乗ったら窓から外をよく見よ」これは、父親の教えの第1番に当たるものである。宮本常一の旅の態度として、終生これは貫かれたものと思われる。民俗学のフィールドワークに欠かせない手法として、次のようなことが行なわれている。・「あるく(歩く)」は、もちろん徒歩である。徒歩で歩きながら、モノを見考えるのである。・「みる(見る)」は、徒歩で歩きながら、その速さで周囲を見るのである。歩く速さというのが、もっともモノがよく見えると考えられる。・「きく(聞く)」は、しかる後に疑問に思ったことを聞くのである。見ただけでは分からないことを聞くのである。このような民俗学のフィールドワークの考え方が、新しい観光学と共通するものがあり、本稿ではそれを考察したものである。
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